HEALTH 薬剤師のひとりごと。
バックナンバー
Vol.1-Vol.10
  • Vol.01客井薬局 客井宣之氏:ラジオ関西「くすりと健康」に出演して
  • Vol.02岡薬局     岡源郎氏:今日この頃思うこと
  • Vol.03客井薬局  客井宣之氏:「慢性骨髄性白血病の最新の治療薬から」
  • Vol.04客井薬局  客井宣之氏:楽しいパソコンライフ
  • Vol.05客井薬局  客井宣之氏:インターネットで楽しい人生
  • Vol.06客井薬局  客井宣之氏:楽しいパソコン人生 Pert3
  • Vol.07客井薬局  客井宣之氏:楽しいパソコン人生 Pert4 羽生さんは・・・
  • Vol.08客井薬局  客井宣之氏:薬の事件簿 その1「にこにこ接近する人には御用心」
  • Vol.09客井薬局  客井宣之氏:風邪薬の危険
  • Vol.10客井薬局  客井宣之氏:店頭で見られる感染症から

-Vol.10-店頭で見られる感染症から    客井宣之氏(客井薬局)

小児の場合、風邪の薬で、総合風邪薬のシロップ製剤を買いにこられる場合、症状など、注意深く聞きますと、  「微熱ながら、すぐに治るのですが、よく風邪引き易い子供です。」 と返事された場合、小児科に行って診てもうことを勧めます。溶血性連鎖球菌〔溶連菌〕の感染が想定されます。この症状の場合、一見風邪を引いた症状ですが、扁桃腺が腫れていて、放置しておくと、 グラム陽性菌で、毒性が強くて、毒素が、少しずつ体をめぐることにより、扁桃炎や咽頭炎を起こして、リュウマチ熱、急性糸球体腎炎、リュウマチ熱後の心臓弁膜症も発症します。小児科の先生の話では、常在菌で、よくあるそうです。診察の所見では、口の周辺が黄色くなっているそうですが、免疫血清学検査のASLO値が320U以上なら感染が考えられます。治療方法は、ペニシリンやセフェム系の薬剤が有効で、大変効果が有ります。 とにかく、小児科から来る風邪症状の薬剤は、セフェム系が処方されていますが、最善と言えます。 以前、病院に勤務していた時、薬局の小学生の子供さんと、外科のお医者さんの子供さんとの二人が、溶連菌感染していて、学年を遅らせたりしていた事が有りました。身近に、風邪のシロップが有るため、微熱ぐらいと、簡単に思い、手遅れになったようです。兎に角、子供の病気は、診察第一です。

2003/2/21

トップページへ戻る

-Vol.9-風邪薬の危険性

2月13日の夕刊に、風邪薬で皮膚疾患死との表題で、死亡と損害賠償の告発の記事が出ています。31歳の女性デザイナーの方で、コルゲンコーワET錠を数日間飲んだところ、服用開始から約1週間後に、水泡が出て、医師の診断ではスティーブンス・ジョンソン症候群で、さらに同症候群で最も重い中毒性表皮壊死症になり、さらに合併症の気管支炎のため死亡したとの事です。家族は、注意書きの説明不十分として、1億5000万円の損害賠償を製薬会社に要求するらしい。さて、この問題については、昨年私は、兵庫県薬剤師会の依頼により、くすりと健康のラジオ番組にて、問題提供したことが有ります。そこで、復習いたしたいと思います。  この症候群は、風邪ぐすりのほか、よく使われている解熱鎮痛剤全部に起きる可能性が有ります。100万人に数人の割合で発生いたします。皮膚の粘膜が障害を受けて、服用後、高い熱を伴い、激しい水膨れのような症状が出てくると要注意です。全身がケロイド状態になって、重症では、失明や、死亡にいたります。日本では、年間300人もの人が被害を受けて、その一割の30人ぐらいの人が死亡の報告がされています。 また、同じようなライ症候群が、有ります。中毒性皮膚壊死症と呼ばれています。15歳以下の小児に発生しやすいのです。インフルエンザや水痘症に罹ったときに、解熱鎮痛剤を使いますと、急性脳症を発症して、死亡することにもなります。  さて、現在、風邪の季節ですが、薬の販売の方も、購入される人の方も、両方とも、薬の危険性の認識が大切です。どの薬でも薬の箱の中には、注意書きが、必ず入っているのですが、スティーブンス・ジョンソン症候群と書いてあっても、具体的なことは判らないのではと思います。そこで、薬局で購入される場合、アレルギー体質の有無などの質問や、十分な説明が大切でしょう。昔から、どの店でも、おこなってきたはずですが、今回のような記事が出ますと、反省材料にして、身を引き締めて薬の販売をしようと思います。とにかく、使う人の健康が第一です。 少しでも異変を感じたら、服用を止めて、様子を見て、薬局に相談をされたり、悪くなるようでしたら、医師の診断を受けて、一刻も早い適切な治療を、受けるのが最善でしょう。

2003/2/20

トップページへ戻る

-Vol.8-薬の事件簿 その1 「にこにこ接近する人には御用心」

先日薬剤師会の研究会にて、紹介された話ですが、以前、新聞の記事にも出た事があるのですが、ある薬局が、処方箋の必要な向精神薬を、処方箋なしで、特定の人に、しかも2000錠以上の多量、販売していて、二人とも、向精神薬取締り法違反の容疑で, 逮捕された事があります。事件のきっかけは、普段よく来る客で、にこにこと愛想もよく、ついつい、世間話もしていたのですが、不眠症を訴えられ、最近ほとんど寝ていないので、今晩一度ぐっすり眠りたいと言われて、懸命に断ったのですが、しつこく頼まれ、つい一錠、売ってしまいました。しかも、一錠、5000円に誘惑されたのが、薬剤師としての倫理感覚の無さが、非難されるところです。ところが、翌日も、また、頼まれてしまいました。そして、連日になってきて、値段は、2000円が1000円に、最後は10円まで、値切られるようになり、逆に、数量は、5錠、10錠から100錠へと、ついには2000錠まで増加して行きました。態度もでかくなり、違法販売を承知で売ったのを、付け込まれたわけです。店の人は最後に、警察に相談に行って解決したそうです。昔、ヒッチコックのサスペンス映画で、〔見知らぬ乗客〕と言う映画がありましたが、にこにこ近寄る他人は御用心。 次回お楽しみ。

2003/2/19

トップページへ戻る

-Vol.7-楽しいパソコンPert4 羽生さんは矢張り神様だったの話

 パソコンやりはじめた目的は、インターネットで将棋対戦に参加したかったからで、毎日暇さえあれば楽しんでいます。以前は、土曜か日曜に福島の日本将棋連盟の会館へ行って、将棋していたのですが、自宅が道場になるとは、有難い事です。人気のあるインターネットの道場は現在12万人にも達しています。先日、土曜の、夜中の3時に起きたとき、どれくらいの人が将棋しているかな、インプットしてみると、なんと、全国で、3500人のひとが対戦していました。まさに、我が家は大道場になったのと同じです。アマもプロも全員参加で、資格に区別ありません。実力の世界です。  さて、将棋の世界では、頂点に立って居るのが、あの有名な羽生さんですが、年末から年初にかけて、竜王戦のタイトルマッチがありました。挑戦者は、阿部七段で、関西出身です。十三道場で強くなった人です。  勝負の世界では、自称、俺が手ほどきしたと自慢するひとも多いようですが、実際、私の住む尼崎市東園田町には、阿部さんが6歳のとき親に連れられて、道場に来たので、駒の動かし方から教えて、以後熱心に指導した人がいます。半年前、その人の紹介で、阿部さんは快く、園田の地区会館にこられて、同好会の面々の指導対局をされました。阿部さんの師匠だった人は、嬉しそうでした。大勢の人だったので、私は見学だけしました。それだけ、園田町は阿部フアンが多く、タイトルマッチの動きを熱心に見ていました。近所のある喫茶店は、同好が集まり研究する所です。情報源は私のパソコンで、伝令が店に来て、指し手の動きをスケッチして、喫茶店に持ってかえって、検討していました。竜王戦は年末には3対3になり、年初に最終戦になりました。町で歩いていても、出会えばその決着の話題ばかりでした。  さて調剤の仕事に障害にならないように、2台目のパソコンを年末に購入しました。2日間続く決勝戦の日は、終日、2〜3人見学者が、私ともども、画面を見ました。試合の経過は波乱の連続で、みんな興奮していて、遠慮も何もありません。わいわい好き勝手に次の一手の予想しました。試合のほうは、阿部さんの方が始終有利に進みました。そして阿部さんは、24桂と絶対有利な手を打ちました。パソコンのプロの予想でも、私たち素人の目でも、阿部さんの勝ちと、みんな思いました。米長九段は、タイトルは東京から名古屋ぐらいまで来ているかもと言っていました。しかし前名人の佐藤、谷川九段は、無言で、まだわからない、いつもここから、よく逆転されますのでと、言っていました。結果的にはさすがでした。ところが、わが町の、同好会の面々は、喜んでしまい、祝賀会に間に合うように、福島へどっと出かけました。しかし、到着した頃、阿部さんは投了していました。24桂の後、みごとに逆転されてしまいました。羽生さんは、あっと驚くような手を、打ったのです。1%ぐらいの勝ち筋で、私には、到底考えられない手です。矢張りあの方は、神様です。翌日から園田の面々は、夢から醒めて、静かに、原点に戻って、こつこつ将棋の研究しているようです。町で会っても、会釈程度です。阿部さん、また、がんばって。ついでに、阪神もがんばって!!

2003/2/1

トップページへ戻る

-Vol.6-パソコン人生part 3 パソコンの操作の高速

処方箋の調剤で、ソートスの場合は、XPのパソコンが必要ですが、処理をする場合、スピードの速い日と遅い日があるので、何故かわからなっかたのですが、検討の結果、その原因は、XPの場合いろいろサービスが多くて、パソコンがランダムに採用するので、順序により、速い日と遅い日が生ずるらしい。
そこで、優先順位を最優先させると速くなります。 スタートメニュー 、マイコンピューターを右クリック、システムのプロパティで詳細設定のタブを開く、パフォーマンス欄の設定をクリック、視覚効果タブの〔パフォーマンスを優先する〕を選択 以上の操作によりきっと、速く仕事ができることになります。知らなっかたのは、私だけかな。もっと役立つ情報あれば、教えてください。待っています。

2003/1/25

トップページへ戻る

Copyright 2002 Hokenyakuhin Co. Ltd. All rights reserved

-Vol.5-インターネットで楽しい人生

2年前からWindws98のデスクトップのパソコン使っていましたが、昨年KLEZ(クレズ)と呼ばれているウイルスが侵入した事があります。英語でanti-virus云々とのメールだったので、ウイルス対策のメールかなと、うっかりファイルを開きましたら、それが正にウイルスでした。うまく騙されました。
突破口を見つけたとばかり、翌日には次々と10種類ぐらいの変なウイルスが殺到してきました。さらにアドレス帳に進入して、私の名前で勝手に発信したので、アドレス友人や親戚のパソコンに被害が拡がりました。私からのメールと思われますから、安心して開けられたようです。
私の方は、リカバリーで消えないかなと2回リカバリーしますと完全に全部退治出来ました。パソコン本体には損傷ありませんでした。気の毒なのは友人のほうで、時間とともに2件のパソコンが動かなくなりました。ハードも犯されて起動も出来なくなり、電気屋に持っていっても修理も出来なくて、新しいのを買い換えたと聞いています。
ウイルスは一度でこりごりです。私は、それ以後は、ウイルス対策の研究は人一倍熱心です。新しい対策のCD-ROMが出ると買ってきては試しています。その後防衛は完璧と思いますが、ウイルスは進化しますので、何時また襲われるかわかりません。
 さて、昨年4月から調剤のソートスで仕事することになり、新しいパソコン買いました。ウイルスの事が有りますから、仕事用とインターネット用に別けて使う様にしています。メール のプレビューからも入って来ますので、閉じておいてください。変なメールはすぐに消去しましょう。

ウイルス情報(TREND MICRO社のHP)

2003/1/16

トップページへ戻る

Copyright 2002 Hokenyakuhin Co. Ltd. All rights reserved

-Vol.4-楽しいパソコンライフ

松井社長が、これからの時代、パソコンをマスターするのが重要といっておられます。
同感です。そこで、私の場合を紹介したいと思います。好きこそ物の上手なれ、と言われますが、趣味が昂じて何とか一人前になりました。
将棋が趣味で、若いときは、難波あたりの将棋道場に通いました。棋力も四段ぐらいまで上がったのですが、年齢とともに、気力の方が衰えて、 若い人と根気良く戦うのが苦痛になっていました。
2年前に、インターネットで将棋が簡単に、出来ることを知って、パソコンを買いました。それから、道場に行くことも無く、 家で、朝から晩まで好きなときにいつでも将棋できるようになりました。初めは、パソコンの技術はどうでも良く、将棋さえ出来れば良いわけで、 無茶苦茶動かしていましたが、そのうちに、なんとか動かせるようになりました。パソコン教室にも行ってないので、トラブル発生して、困ったときは、 隣の本屋に行って、パソコン関係の本を片端から見て、解決してきました。徐々に技術を会得するにつれて、いろいろ知りたい欲に駆られている毎日です。 とにかく、新しいことを開発したい。そこで、毎日が経験で、先日書きました、〔薬剤師の独り言〕の文章作成は、初めての経験でした。パソコンの本を見ながら、 打ち込み方の練習を兼ねて作りましたが、気が付いたら長い文章になっていました。すみませんでした。おかげで、次の、ラジオ出演のシナリオ造りの際は、 ずっと楽でした。
これから、パソコンを始める方に伝えたい事は、とにかく、面白いです。パソコンは魔法の小箱の様です。色んな事が出来ます。 私は、現在、将棋以外に、コントラクトブリッジに凝っています。対戦ゲームですが、見知らぬ人と、友達にもなれます。この前、 沖縄の漁村の放送見ていたのですが、85歳のおばあさんが、インターネット を楽しんでいました。長生きして良かったと言っていました。 負けずに、始めましょう。調剤システムの操作は簡単で助かります。薬剤情報も沢山見られます。仕事の向上に役立っています。

2002/10/25

トップページへ戻る

Copyright 2002 Hokenyakuhin Co. Ltd. All rights reserved


-Vol.3-ラジオ関西 健康情報番組くすりと健康(10月18日放送)
「慢性骨髄性白血病の最新の治療薬から」 お話:客井薬局 客井宣之氏

■先日(10月18日)、客井先生がラジオ関西で放送で述べられたものですが、
心よくこのコーナーへの掲載をご承諾していただきましたので 「薬剤師の独り言」
と言えるかはともかく、癌治療への明るい話題です。是非、ご一読下さい。
Qはアナウンサー、Aは客井先生です。


【ラジオ録音風景】-拡大する-

「慢性骨髄性白血病の最新の治療薬から」

Q:慢性骨髄性白血病は血液の癌ですが、今回、この病気の治療薬をテーマにされた理由は何ですか。

A:私の知人で、この病気に罹った人が居りまして、インターフェロンの治療を受けていたのですが、今年の2月から、グリベックという、最新薬の治療に代わってから、急速に回復していると、聞きましたので、どんな薬かなと、調べて見ましたら、分子標的薬という、まったく新しいタイプの癌の治療薬なので、資料を集めて検討しました。

Q:まず始めに、慢性骨髄性白血病について、お話し下さい。

A:慢性骨髄性白血病は、血液をつくる造血幹細胞が癌化した病気です。ゆっくり進行するので、初期には、症状は殆ど有りませんので、別の病気で血液検査を受けたとき、白血球数が異常に多いことから判明することもあります。この病気は、白血球が異常に無制限に増加します。検査では、白血病細胞の中に、〔フィラデルフィア染色体〕と呼ばれる異常な染色体が検出されます。この染色体が、異常な蛋白質を作り、白血病細胞を増殖します。4〜5年の慢性期を過ぎると、移行期を経て急性転化したりします。

Q:病気と診断されてからの治療は、どのようですか。

A:50歳未満で、ドナーがいれば、造血幹細胞移植で、70%の患者さんが根治できますが、その適応が難しい場合は、インターフェロンの注射で治療します。60%の効果がみられます。副作用の強いのが問題ですが、中止すると確実に悪化しますので、続ける必要があります。急性転化しないように食い止めることが治療の目的です。

Q:そこで、インターフェロンに代わる新薬が、登場したわけですか。

A:昨年12月に、分子標的薬のグリベックという新薬が、薬価基準に採用され、有力な治療法として加わりました。

Q:分子標的薬とは何ですか。

A:最近の遺伝子工学の発展により、癌細胞と正常細胞の違いや、癌細胞の増え方や、転移の仕組みが解明されています。分子標的薬は、癌細胞の特徴である性格を制御して、腫瘍化した細胞を、本来の状態に戻す目的で開発された薬です。グリベックの場合は結果的に癌細胞をも死滅させました。これは予想以上の事でした。

Q:慢性骨髄性白血病に対して、グリベックはどのように作用しますか

A:グリベックは、白血病細胞の中に入り込み、慢性骨髄性白血病の原因になっている〔異常な蛋白質分子〕と結合して、酵素作用の阻害により、白血球の異常増殖を抑えます。そして、白血病細胞を徐々に消滅させる作用です。

Q:治療効果はどうですか

A:3ヶ月間の服用により、血液中の白血球数が正常になり、70%の患者さんで白血病細胞が減少または消失します。知人の場合でも、半年間の治療の結果、白血球数は正常まで減り、さらに、異常染色体は、全部、消えました。これは、インターフェロン2年以上の効果に匹敵するとのことです。

Q:副作用はどうですか。

A:吐き気、むくみ、筋肉痙攣が現れたりします。インターフェロンに比べたら、患者さんへの負担は軽いようですが、今後の検討は必要です。

Q:グリベックの成功から、次の分子標的薬が期待されますね

A:グリベックは分子標的薬の成功第一号と言われています。次に、現在、もっとも注目されている薬は、肺がん治療剤の〔イレッサー〕です。今年の8月30日に、保険薬価に採用されています。これは、内服薬で、対象は非小細胞性の肺がんです。癌の増える因子を受け付ける部分の働きを抑える作用です。特に従来の抗がん剤がまったく効かない症例にも奏功を示しています。

Q:その他はどうですか。

A:現在、昨年6月から、注射薬の乳がん治療の〔ハーセプチン〕と8月から悪性リンパ腫用の〔リッキサン〕が薬価基準に採用されています。ハーセプチンは特定の遺伝子を持つ乳がんの増殖を抑える作用があり、白血球減少なども少なく非常に期待されています。リッキサンは、特定の癌に対して、単独で30%、抗がん剤との併用で90パーセントの効果があります。今後とも期待されています。

Q:分子標的薬全体の評価はどうですか。

A:分子標的薬は、いずれも、癌細胞に対して、単独使用でも効果を示したことは、評価されています。しかし、まだ、始まったばかりの治療であり、しばらくは、経過を見る必要があります。正式の評価は5年ぐらいの成績を見ないと判りません。

Q:今後の展望はどうですか。

A:21世紀のがん薬物療法は分子標的薬の開発が中心になり、がんの性格にあったオーダーメードの薬物の治療の時代になるでしょう。

2002/10/18

トップページへ戻る

-Vol.2-岡薬局 岡源郎氏 (前大阪薬科大学学長) 今日この頃 思うこと

大阪薬科大学の学長を辞して、早や3年になります。その間、愛妻と娘夫婦が励んでいる調剤業務やOTCの販売などを見ていますと、薬剤師の仕事も昔とはずいぶんちがってきて、大変だなあという思いがします。
 医薬分業が進み、 薬剤師に対する社会の見る目も変わってきました。これからも患者に支えられ、医師から信頼される薬剤師でなければなりません。そのためには何が一番大切か。それはコミュニケーションです。
「この薬はなぜ効くのだろうか。どんな副作用があるのだろうか。」といった薬理学の知識を念頭においた思いやりのあるコミュニケーションです。

 孫子の兵法に「敵を識り、己を識らば、百戦すとも危うからず」というのがあります。
これを医療の場にあてはめてみますと、敵とは「病い」であり、己とは「薬」ではないでしょうか。「薬」という武器なくして、治療にあたっている臨床科はありません。 私たち薬剤師は、「薬」という武器について、その使い方、性能、切れ味、使用の限度、危険性などを正しく把握しておくことが必要なのです。

 「薬」は私たちの身体にとっては異物です。言い換えますと「毒」です。よく処方される薬も、見方によっては毒です。強心薬であるジギタリスは、心筋膜のATPaseを阻害し、Na+ポンプを阻害する弱心薬です。
 利尿薬も 尿細管でのNa+の再吸収を阻害する腎機能障害薬です。Ca2+拮抗薬も細胞内へのCa2+のとり込みを阻害する細胞機能障害薬です。非ステロイド性抗炎症薬は、プロスタグランジンの生成を阻害する胃・腎機能障害薬です。しかもこれら薬の作用は、私たち大きな体に対してわずか〜マイクログラム、〜ミリグラムといったごくごく微量で発揮されています。驚きの外ありません。私たちは、生体にとって異物、すなわち毒を薬として活用しているのだということを、忘れないでいたいものです。「薬イコール毒」これは鉄則です。

 これからは医薬分立、処方権は医師に、調剤権は薬剤師に、といった分立の時代がやってきます。薬剤師は、医師の書いた処方をチェックし、医師に対して堂々と説得できる発言をしなければなりません。21世紀は薬剤師の時代です。薬剤師が脚光をあびる時代です。お互いに”ガンバリ”ましょう。

平成14年10月1日

トップページへ戻る

Copyright 2002 Hokenyakuhin Co. Ltd. All rights reserved

-Vol.1-客井薬局   客井宣之氏  ラジオ関西 <くすりと健康> に出演して

先日兵庫県薬剤師会から電話があり、予定に穴が発生したので急遽10月18日に、 くすりと健康の番組に出てほしいと頼まれました。本当に困っておられる様子なので快く引き 受けました。なぜ断らないのか思われましょうが、勉強する良い機会で自己発展に繋がるからです。 普段趣味が多くて、くすりの本を見ることが少ないので、追われるように、集中的に目標を立てて 研究するのも良いものです。今回で5度目の出演になりますが、録音室で緊張しながら、アナウンサー の方と対話するのは、何回出ても、いつも新鮮です。少しスリルが有って、あの緊張感は普段の生活では 味わえない一種の快感とも言えます。
録音の一週間前、何人かの出演予定者と、録音の本番の見学が 有ります。録音後、出演された方が、美人の広井アナウンサーと記念写真を撮って額にして、 店に飾るんですと言っておられた方もおられました。ラジオは、私自身聞くこともない無関係の生活を していますが 、放送は近畿一円に流されるのと、ドライバーの方や病床の人が案外多く聞いているそうです。 それに励まされて、出演しているわけです。兵庫県の薬剤師会の支部毎の、持ち回りで担当している 番組ですが、私は尼崎支部からの選出です。出演は公募されますが、なぜだか誰も応募が無いので、 担当者が私に必死で頼んでこられます。若い人にはせっかくの良い機会と思うのですが、すこし残念です。 私は看護師学校で20年間、薬理学の教鞭の経験がありますので、慣れています。 しかし最近はボケてきていますので、復習せねばなりません。早く辞めたいのですが、 県薬の依頼ならと、無理しています。

第1回目の時は <癌末期の疼痛対策のモルヒネ製剤>でした。 モルヒネは得意の分野でしたので、苦労はありませんでした。将来麻薬の処方箋が院外に出たとき 薬局で調剤するのに参考になればと思っていました。現在フェンタニールの貼布麻薬も出たので 取り扱いは法律に精通する必要があります。取り扱い上ルール違反があれば、僅かな事でもすぐに 始末書を書かされる事になります。

第2回目の時のテーマは<生活習慣病の予防とくすり>でした。 当時生活習慣病の単語ガ使われ始めた時で、最新治療を知るために、かなり沢山の本を読みました。 出演料の何倍も投資してので赤字でした。病院を定年退職してから数年経過していましたので、 医療は日進月歩していて、最新知識が欠如していて、少しの間の休憩で、時代から遅れているのを 痛感しました。出演の結果、得られた情報は、私自身の健康維持上、私自身が一番に参考になったと思います。 やはり健康には、運動が一番大切です。その後も、毎日朝、昼、晩と散歩を欠かさない生活を続けて います。その効果あってか、幸い現在健康診断はすべて正常です。 薬は何も服用していません。私にとって薬は売るだけです。 勿論、お客さんには、副作用など十分注意して、乱用しないように指導して売っています。 常に服用される方の健康に役立つ事が一番です。

第3回目の時のテーマは、<市販薬の副作用>でした。PPA製剤による脳出血の発生事故が新聞に 報道されていた頃で、折角の機会ですから、市販薬の副作用のデーターを集めました。 鎮痛剤から胃腸薬と店の薬も調査して、うまく作品に纏めたつもりです。PPA製剤は、その時すでに、 アメリカでは、使用禁止になっていたのですが、日本では、その後2年経って、やっと使用中止になる動きが先日報道されていました。 サリドマイドの時も、スモンやエイズにしろ日本は、行政指導は、何時も遅いですね。 2年前に放送した日は、一日でも早く使用中止を念じて出演したものです。

さて、その後、もう出演を頼まれ事は無いだろうと思っていたのですが、尼崎薬剤師会から、 第4回目を頼まれました。その時のテーマは、<処方箋から見た糖尿病と治療薬>を選びました。 糖尿病なら、私自身の経験上、簡単と思っていましたが、実際取り掛かって見ますと、 わずかな7分間のトークで、糖尿病の何を話せば良いのかと、苦労しました。 テーマは一月前に登録します。公表されますので、一たん決めますと、変更できません。 散々苦労して、何度も校正して、それでも何とか纏めました。 今でもわれながら良い作品と自負しています。FAXで兵庫県薬剤師会に頼まれますと見られますので、 一度見てください。
糖尿病では、血糖を管理していても、網膜症が何時発生するかわかりません、 やはり油断すると糖尿病は怖いと思います。

さて、今回は、本当に、出演は最後にしたいのですが、テーマに <慢性骨髄性白血病の最新の治療薬> を選びました。分子標的療法の紹介をするつもりです。 昨年、薬価の癌治療薬に3個、分子標的治療薬が収載されました。分子生物学の発展により、 癌細胞の増殖する蛋白分子の動きが判明してきたので、酵素作用を妨害して、増殖を抑える薬です。 従来の化学療法剤と比較しますと、正常の細胞には作用しないので、副作用も少ないはずです。 従来の化学療法剤を絨毯爆撃としますと、分子標的療法はピンポイント攻撃と言えます。効率的です。 まさに21世紀の新薬です。このような薬の紹介できるチャンスを与えてくださった兵庫県薬に、 むしろ感謝いたしております。今後この種の治療薬が増えることと期待しましょう。特に3個のうち、 慢性骨髄性白血病の治療薬のグリペックは90%の治療効果があります。白血病は白血球が異常に 増加する血液の癌です。わたしの高校の友人が慢性骨髄性白血病に罹り、 現在この薬の治療を受けています。3万個も有った白血球が平常の3000まで減り癌細胞も80% 減りました。それまで使ってインターフェロンも効果ありますが、自己注射しなければなりません。 副作用がつらいそうです。グリペックは内服で、副作用の面で、インターフェロンに比べてずっと 楽だそうです。同病で悩んでいる人のためにも、良いニュースですので、次回の放送は張切って 頑張るつもりです。この年になっても、まだ、世の中のために良い仕事できるのは光栄です。 現在の所、まだ原稿書いていません。パソコンの対戦将棋に一日中時間取られていますが、 頭の中では作品の筋書きは出来あがっています。録音は10月9日で、放送は18日の12時50分です。 よろしく聞いてください。ぼちぼち明日ぐらいから作品に取り掛かろうかなと思っています。 現在、気の毒な横田めぐみさんらの死亡ニュース聞きながら、パソコンでこの文章を書きました。 拉致されて亡くなられた方々の御冥福を祈ります。

2002/09/17

トップページへ戻る

Copyright 2002 Hokenyakuhin Co. Ltd. All rights reserved