HEALTH 薬剤師のひとりごと。

  • Vol.16 客井薬局 客井宣之氏:店頭で見る症状 「尿路感染症」
  • Vol.17 客井薬局 客井宣之氏:店頭で見る症状 「乳酸菌の威力に驚く」
  • Vol.18 客井薬局 客井宣之氏:薬の事件簿 その4「花の思い出」
  • Vol.19 保 健太郎 映画「愛情物語」
  • Vol.20 保 健太郎 食べ合わせ
  • Vol.21 保 健太郎 ランキング
  • Vol.22 保 健太郎 生きる意志
  • Vol.23 保 健太郎 天高く馬肥ゆる秋
  • Vol.24 保 健太郎 みかんの花咲く丘
  • Vol.25 保 健太郎 花粉症緩和米

 

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Vol.25 「花粉症緩和米」 保 健太郎

花粉症緩和米
 第46回鼻の日(平成18年8月7日)、独立行政法人農業生物資源研究所は、18年産「花粉症緩和米」を収穫。遺伝子組換え技術を用いて、隔離圃場での栽培は昨年に続き2年目。
 収穫した「花粉症緩和米」はその後、生物多様性の評価試験や、ヒトでの経口摂取による食品安全性・有効性評価に用いられる予定。すでに、昨年の収穫したコメを用いて、サルやラット、マウスで安全性試験中、動物実験の結果は年内にも公表するとしている。

 農産物の遺伝子組換えが敬遠される中で、花粉症で悩む人々にとって、福音となる結果が待たれる。貧しかった日本では総じて、米飯のみで空腹を満たしていた昔、栄養欠乏もひとつの原因で、いいわゆる蓄膿症患者が多かった時代があった。今は洟垂れは見かけなくなり、蓄膿症も減少しているが、花粉症による鼻炎が激増している。増加の理由については沢山の原因が挙げられている。約50年前に、中学校の社会科の授業で、アメリカには枯草菌による鼻炎が多く、クシャミが頻発していて、大きいハンカチは欠かせないものだと。それは、アメリカには大きな牧場が沢山 あり、牛の飼料用に蓄えられている枯れ草が原因だと教えられた記憶があります。当時、日本にはそのような症状を呈する疾患はほとんど聞いたことが無かったですね。そのころ、日本人に多かったのは回虫保有者で、大部分の学童 は罹患者でした。現在、回虫保有率は当事に比べて著しく低下していますが、それがアレルギー性鼻炎の増加の原因になるのではともいわれています。
 40年前の1966年、鼻炎薬「コンタック600」が発売されたときは、びっくりしました。それまでの日本の風邪薬は、総合風邪薬が主流で、たくさんの種類のくすりが処方されていて、熱、頭痛、咳、鼻などあらゆるかぜの症状に適合するようにと配合されていたものでした。この「コンタック 600」に配合されている薬のシンプルさに驚きました。新発売の説明に来た担当者も、戸惑っているような感じさえ受けたものです。 そのときの説明で、アメリカでは発熱や頭痛などの症状が無ければ、解熱、鎮痛剤の投与は必要が無いから、それらの薬品の配合はしない、という、今日では当たり前のことがすでに40年前に行われていた。その後、日本のメーカーでも、総合感冒薬以外にも症状に適した鼻炎専用医薬品を続々と新発売。この 「コンタック600」が、女優の小林千歳さんによるクシャミを表現した宣伝で、大当たりし、よく売れました。それに、過去からくすりの服用は一日3回という使用法が定番であったが、このコンタック600は、一日2回の服用という使いよさの宣伝効果も抜群であった。このときが日本のアレルギー鼻炎の元年だといっても良いでしょう。

 

2006/8/17

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Vol.24 「みかんの花咲く丘」 保 健太郎

  高校野球の夏の大会が始まると、今もなお鮮明に思い出す熱戦がある。それは和歌山県代表の「箕島高校」と石川県代表「星陵高校」の延長18回に及ぶ激闘である。和歌山の箕島地域は、 有田みかんの一大産地で知られている。終戦後、「みかんの花咲く丘」という唱歌が、NHKから連日流れて、小学校から中学校時代によく歌い、ハーモニカで友と競って吹いた思い出がある。この歌声はあの有名な川田3姉妹の長女、川田正子さんが小学生5年生から歌っていたものだ。しかし、それから暫くして、川田正子さんの歌声は放送で聞くことは無く、妹の川田孝子さんが大変な活躍で、人気も高く孝子さんの歌う童謡、唱歌はよく聞いたものです。川田正子さんはそのころ変声期で歌わなかったことをあとで知りました。その後、川田正子さんは再び活躍なさっていましたが、残念ながら今年の1月に急逝されました。

 大学一年生の春休みに、「みかんの花咲く丘」というものを見たくなりました。この歌のゆかりの地は伊東方面だということですが、大阪から近い有田市箕島に行き ました。有田川を挟んだ山のの斜面を利用したでみかん畑には、残念ながら、時期が早くまだみかんの花は咲いていなかったのです。しかし、木々の間から見える海は遥か先まで太平洋が見渡せて、それなりの感激がありました。みかんの木々の間を収穫したみかんを効率よく運び出すためにトロッコの線路があり、収穫時の大変な労働が想像される。

 みかんと同様のかんきつ類のグレープフルーツの成分が、降圧剤の作用を強めることが判明し、このニュースは全世界に知られた。グレープフルーツの日本デビューは、今から30年前に、時の佐藤総理大臣が朝食のデザートに欠かさないとの報道で、全国に知れ渡り、デパートや有名な果物屋さんの店頭にぼつぼつと並べられはじめた。勿論、高価な果物で庶民には毎日食べるには負担が大きい。しかし、今では、特価の目玉商品として店頭に山積みされている。  もともとグレープフルーツは、血圧の高い人に良い果物としてアメリカでは人気があります。

グレープフルーツジュースと医薬品の相互作用

グレープフルーツ果汁との相互作用には降圧剤として使用されるカルシウム拮抗剤との相互作用で、これらを合わせて服用すると、薬が効きすぎてしまい、血圧を下げ過ぎて、めまいや頭痛、起立性低血圧などの症状を引き起こす危険があります。

詳しくは、「健康食品のあり方を考える日本サプリメント評議会」の運営されている「おいしいネット」http://www.o-e-c.net/syokuzai/grapefruit.htmを訪れてください。

温州みかんVSグレープフルーツの輸入自由化問題についてこんな記述を見ました。      

第065回国会 農林水産委員会 第10号昭和四十六年四月二十七日(火曜日)

杉原一雄君 グレープフルーツはいま自由化されていないわけだけれども、店頭に売っているわけですわね。それが幾らほど値段するかぼくら貧乏人はめったに買わないわけですからね、一ぺんか二へんしか買わないわけですから、それが一つ――かりに自由化すれば値段の関係はどういう動向を示しますかね、局長の判断をひとつ……。
○政府委員(荒勝巖君) まあ仮定みたいな話になりまして、これは絶対的な話ではございませんが、現在グレープフルーツは過去二、三年来の経緯を見ますと、小さなもので大体まあ三百円ぐらい、大きなものになりますと五百円ぐらい、これは非常に上等なものだと思いますが、われわれの見通しでは自由化いたしますと、大体まあ百円から百五十円、まあ非常にいいものでも二百円以下というような形になるんではなかろうかと、こういうふうに推測している次第でございます。
○杉原一雄君 自由化すれば――私は三百円というのを買って食べたことがあるんですが――百五十円ぐらいになるということをおっしゃるわけですね

 アメリカのカリフォルニア州でつくっておるグレープフルーツの所要労働時間は一アール九時間くらいでつくっておる。同じ面積の日本における温州ミカンの投下労働時間は三十倍ぐらいかかっておるのであります。広い畑の中をスピードスプレーヤーで、双方に二十メートルも飛ぶような消毒機械をもって消毒をして、防除をしております施設と、日本のような山坂で防除をいたして栽培をいたしておりますものとの投下時間の差がたいへん違っておる。したがってコストは高くつくわけでございます。ですから、アメリカのグレープフルーツと日本のくだものとを競争さしてみてもとうてい勝てようはずがございません。・・・・・・・・・・・・・・

 「飲み合わせ」は、薬同士の飲み合わせばかりではありません。薬と食べ物や飲み物との飲み合わせによって、思いがけない薬の効き目の変化が生じることもあります。例えば、ある種の抗血栓薬は、納豆菌が生成するビタミンKによって効果が弱められてしまう場合があります。ですから、他の薬や食べ物との飲み合わせを確認しておくことって、とても大切なんですね。

 この他にも、薬について質問したいことっていろいろありますよね。そんなとき、何でも相談できる薬局をあなたの「かかりつけ薬局」に決めておくと、便利で安心。病院でもらったお薬について聞きたいとき、薬局でお薬を買うとき、「かかりつけ薬局」はあなたの強い味方になってくれるでしょう。
 

2006/8/12

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Vol.23 「天高く馬肥ゆる秋」 保 健太郎

 酷暑の夏、相次ぐ台風の襲来、新潟中越大地震と、今年は自然災害が異常に多く、
日本各地に大きな被害をもたらしています。被害にあわれた方々の特に体調が気遣わ
れます。健康を害しないように祈っています。心からお見舞い申し上げます。

 昭和20年代には、毎年、秋になると必ず新聞の夕刊に、「天高く馬肥ゆる秋」と見出しがつけられて馬の写真が掲載されたものでした。今日では、肥満がもたらす健康上のマイナス、容姿への懸念から、肥満が豊満として認められていた時代から認識が大きく変化した。

 「トイレットペーパー騒動」があった昭和48年に「ダイエット食品」という言葉が初めて日本の社会に登場した。これを裏付けるデーターとして、この年に日本人一人当 たりの砂糖消費量は、昭和20年代の年間1kgから約30倍の29.4kgのピークに達し た。以後の平均消費量は22kg〜24kgだが、この年から、日本人のカロリー摂取過剰が一般に広く知られ始めた。そういえば、戦前、戦後は「全糖」という表示が、ジュース飲料等食料品の高級使用調味料としての証であった。有害論から安物、偽物と言われた人口甘味料の「サッカリン」の使用が緩和されたのもこの昭和48年からでした。 

糖尿病患者が、美味いものの食べすぎだと、羨ましさもこめて慰められたときから一転、自分の体重も管理できないと揶揄されたことも。現在では、倹約(飢餓)遺伝子によることが多いと研究が進み、糖尿患者の評価が変転。
カロリーの過剰摂取、肥満への警鐘など膨大な情報渦中で、偏った理解も原因のひとつで、各地の若い女性を中心に拒食症が発症。思い起こすと、栄養士になりたての20歳の女性が痩せすぎて、髪はバサバサ、生理不順が続くと母親からの相談があった。

女性の痩身願望を正しく理解して、適切なアドバイスが出来る「かかりつけ薬局」として、地域の日常茶飯事の健康相談から、先端医療の知識まで頑張らなくちゃ・・・。

それにしても「ケーキバイキング」が、若い女性に好評で、ホテルで見かけたそのコーナーは、入場待ちの女性で賑わっていました。
 

2004/11/1

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Vol.22 「生きる意志」 保 健太郎

今から30数年前に、私の薬局に、目に涙をためた中年のご婦人が来られて、
「主人が病院から帰されました。医師に『もうこれ以上の治療法がないので、退院して自宅で看てやってください 』と言われたんです。どんなことでも良いんです。何でも良いですから、少しでも長生きできる方法はないでしょうか、娘の結婚式が半年先に決まっているので、なんとしても、それまで生きていて欲しいんです。」
ご主人は肝硬変でお腹は大きく膨れ、寝返りもままならない状況でした。必死にすがるような訴えに、私は「薬を服むことは肝臓に負担が掛かりますから、むしろ死を早める事になるかも知れませんよ。」
婦人は「何もしないでこのまま死ぬのを待っておられません。お願いです何か良いと思われるお薬を下さい。」 私は医師が手を離し、死を目前にした患者にOTCを服用していただくことは辛い決断でしたが、漢方薬を服用して頂くことにしました。 三日目にご婦人が来店されて、「先生、おしっこが良く出始めました。」との報告でした。さらに二日後に また来店され、明るい表情で「先生、ビックリするほどオシッコが沢山出て、お腹がぺしゃんこになってきました。ありがとうございます。」その後は順調に回復されて、娘さんの結婚式にも無事出席され、すこぶる元気に過ごされて、大変感謝されました。残念ながら3年後、大量吐血で亡くなりました。 このとき、私は「人間は目的を持つ強い意志が有れば、不可能も可能にするのだ」ということを感じました。漢方薬の効果が排尿を促して、お腹の膨れを小さくさせてきたことが、病気が良くなる ことへの希望になったことも事実でしょう。しかし、あのご婦人の強い意志が、末期患者のご主人に生きる勇気を与えたのだと確信しています。お薬がこのようにある人の人生のエポック時に役立つサポート が出来たことが私の一生の中でも印象に残る出来事でした。

2004/07/21

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Vol.21 ランキング 保 健太郎

ランキングばやり
常に人間社会は、ランク付けをしたくなるようで、最近は、一昔前まではタブーとされていたことにもランク付けの対象となっている。
世界各国のランク付けを初めて目にしたときの驚きは何10年前のことだろうか。
特に最近は、病院がその対象になっている。
更に貴賎なしといわれる職業にも近年は、尊敬される職業のランクがアメリカで発表されている。この発表する目的は理解できるとして、その職業に携わる人達の全体と見られる恐れも無きにしも非ずで、いささかと思わぬでもない。
その点、三ツ星レストランなどという評価は、どこかアナログ的な要素が多く、まさに目安として楽しみ、三ツ星レストランでの食の体験談、読物など、その話題で盛り上がったりで、憎めないし、それを目指す若きシェフが頼もしい。
アメリカのギャロップ調査が毎年発表する一番信頼される(尊敬される)職業で数年前までの10年間、連続トップが薬剤師でした。その後、9月11日の同時テロ時における、消防士の大きな犠牲を伴った献身的は働きがあり、その後の調査は承知していないのですが、消防士や看護師が第1位にランクされたのではと思っています。日本での職業信頼度調査(2003年:日本リテイル研究所による)では、第1位消防士、2位看護師で、薬剤師は5位でした。う〜ん、薬剤師諸君!!やはり1位に推されるよう一流を目指し、精進して頑張ろう。

2004/06/28

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Vol.20 食べ合わせ 保 健太郎

「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」  (素堂)
若葉が目に染み入るような、薫風さわやかな季節になって来ました。
通勤時に見る生駒の山並みは、多様な緑がまさに萌えいで、こんもりとした山稜を成し、
柔らかな幼葉が空に向かって元気いっぱい背伸びしているようです。
  「分け入っても分け入っても青い山」(山頭火)
山歩き、ハイキングなど行楽に最適な日々がこれから始まりますね。
 昔から食べ合せの代表格に「梅干とウナギ」がある。幼い頃から、「お腹をこわすから」と言い聞かされて、強くインプットされた事と、腸が弱い男の子だったせいか、それから60有余年、ウナギを食べるときは一切梅干は食しない。鰻重が好物で、外で食べる機会はそれなりに多いが、梅干と一緒に配膳されて出てきたことの経験はない。現代の科学では、消化不良説が一般的だが、昔の叡知に敬意を表しこれからも「梅干とウナギ」を一緒に食する気はないですね。※ご参考リンク集「セルフドクターネット」 というWEBサイトに「ファミリーナースの心得」というコンテンツがあり、そのバックナンバーに、「食べ合わせの検証(1)避けたい食べ合わせ」が載っています。
近年、グレープフルーツと降圧剤(カルシュウム拮抗剤)と一緒に摂取すると、薬剤の効果が強くなり、血圧を下げすぎて、めまいを起こす危険性があります。
血栓症の治療薬(ワーファリン)を服用中は、クロレラ、青汁などには血液凝固に働くビタミンKが多く含まれています。ビタミンKは、ワーファリンの効果を弱めますのでクロレラ、青汁は摂らないで下さい。納豆菌が、腸内で大量のビタミンKを作り出しますので納豆も食べないで下さい。
 糖尿病用剤(インスリン製剤,トルブタミド等)と解熱剤のアセチルサリチル酸(バファリンなど)と飲み合わすと血糖降下作用を増強することがあります。血糖値が低下しすぎると、発汗、手足のふるえ、異常な空腹感、脱力感、目のちらつきなどが起こったり、脳が正常に作用せず、ぼんやりしたり、ふらついたり、いつもと違ったような異常な言動をとることもあります。低血糖症を放置するとけいれんを起こしたり、意識を失うこともあり危険です。これらのさまざまな低血糖症状は人によって出方が違います。
お薬の飲み合わせは勿論のこと、普段食べる食品と服用するくすりとが相互作用を起こす場合が、この他にも報告されています。特に高齢化が進んでいる今日、肝臓、腎機能も弱くなっている為、薬の代謝、排泄が遅くなり副作用を起こすことが多くなります。
お薬は正しく、適切な方法で使用していただくために、かかりつけ薬局では、お薬手帳を作成して、現在服用中のお薬を記載して貼付しています。この手帳は、お一人お一人の大切なお薬の情報です。薬による副作用の防止、体調不良などの早期発見には、かかりつけ薬局で、服用中のお薬について、是非とも薬剤師にお気軽にご相談頂きたいですね。

 

2004/04/25

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Vol.19 映画「愛情物語」   保 健太郎

 アメリカ映画『愛情物語』の、テーマ音楽『To Love Again』(ショパンの『ノクターンOP.9−2』をアレンジしたもの)は大ヒットした名曲で、多くの人々がピアノでこの曲を弾きたいと思ったことだろう。
この物語は、不世出と言われた名ピアニスト、エディ・デューチンの伝記物語で、主人公役の美男俳優タイロン・パワーが、本当に弾いているかと思えるほど見事な演技であった。実際に弾いていたのは、この演奏で日本でも爆発的に人気上昇し、その「華麗なるピアノ」で人気ピアニストであったカーメン・キャバレロだった。
この映画によって日本で、とくに女性に人気を博し、幾度かの来日演奏会は盛況であった。
 このエディ・デューチンは、実務が皆無だったのではと思われる薬剤師であった。
彼は、両親の希望で薬剤師を目指すが、音楽が大好きで、バンドマスターになりたく、薬学を中退してピアニストの道へと進もうとしたが、両親からは薬剤師になってから自分好きな道を選べと猛反対されたので、取敢えず薬剤師の資格を取った。そして音楽の道にまっしぐらに進んだ。この映画を見たとき、私は薬学生3回生であったので、深く印象に残った映画であった。今でもこの映画は、ビデオでも評判が良いそうです。しかし、 その後エディ・デューチンは当時不治の病であった白血病に侵され、手がしびれだし、ピアノが弾く事が出来なくなる行く末を悲観して自らの命を絶った。
 物語の折々で演奏されるショパンの『ノクターンOP.9−2』をアレンジした『To Love Again』は、ご存知のように映画とともにスタンダードな人気名曲です。白血病は、昔のアメリカでは数々のドラマを生んでいる。ベーブルースが余命少ない白血病の少年と約束して、みごと約束どおりのホームランを打った話は映画や本にもなり、良きアメリカと言われていた時代で、日本の敗戦間もない頃の少年時代に読んだ本の思い出のひとつです。
今も白血病は難病ですが、治療開始の時期によっては不治の病ではないほどに医学の進歩は目覚しく、最近のアカデミー助演賞にノミネートされ話題になった、俳優の渡辺 謙さんもこの難病を克服して、本当に良くがんばっていましたね。

ショパン「ノクターンOP.9-2」を聞きたい!

国立がんセンター/急性骨髄性白血病(成人)

2004/04/09

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Vol.18 薬の事件簿 その4 「花の思い出」     客井宣之氏(客井薬局) 

癒しの部屋の5月の季節の項に、芥子の花が有りますが、観賞用の芥子を植えていると、阿片の採れる芥子の種が混じっていて、知らない内に、麻薬の密造の疑いで検挙される事が有るらしい。学生の時の生薬の授業で助教授が、次のような事件の話していたのを覚えています。それは、豊中の、あるお婆さんが、庭の花壇のひなげしを植えていて、その中に、問題の芥子の花が混じっていたのを、巡回していた、その関係の警察の人が発見して、書類送検されそうになったのですが、近所の人達が運動して、やっと、勘弁して貰ったとの事で、しかも、麻薬に関しては、罰金刑は無く、実刑のみで厳しいものだと習いました。 ところが、それと同じことが起きた時は驚かされました。
現在は存在しませんが、ずっと以前、阪急石橋の待兼山の麓に阪大病院の分院がありました、私は、卒後4年間そこで仕事していたのですが、内科、神経科、眼科、外科だけの100床ぐらいの小規模の施設でしたが、以前は結核療養所だったので、のんびり療養できるように、一年中花が咲いている、美しい病院でした。院内は、山あり、谷ありで、病床も麓と丘の上に分かれていました。専属の植木屋さんがいて、花の手入れが、まめにされていました。
5月になりますと、本院から、新人の男女の研修生が2人来ました。ある日、その男性の研修生が、玄関先の花園で咲いている鑑賞用の芥子の花に、本物の芥子の花を見付けました。  〔先生、絶対、あの花、変ですよ〕  と言い張りますので、家に帰ってから、生薬の本で調べて見ますと、葉の形と果子の大きさから、明らかに、麻薬の芥子と、判別できました。翌日、事件にならないように、薬局だけの秘密にすることにして、見て回りますと、あっちこっち、咲いていました。おまけに、植木屋さんは、見事なのを、4本、鉢に移して、事務長室の窓の脇に並べて飾っていました。10センチぐらいのピンク色のフワーとした、花びらが風で揺らいでいました。花びらの下には5センチぐらいの丸い果子が立派にくっついていました。果子を傷つけると、阿片が沁み出してくるわけです。葉っぱは観賞用と違って、ゆったりして、広く大きかったです。とにかく、警察に発見されないうちに、薬局員だけで、そっと処分しようと、夕方暗くなるまで待って、抜きに回りました。ざっと、30本ぐらい集めました。それを、ボイラー室に持っていって、すっかり焼却しました。
翌日、花が盗まれたと大騒ぎになりました。こちらは知らん顔していたのですが、やはり、抜くところを見ていた人いまして、血相変えて数人の事務所の人や植木屋が薬局に怒鳴り込んできました。その時の薬局長は証拠の果子と葉っぱと、植物図鑑を見せて、気の毒どくなくらい一生懸命説明して、やっと納得してもらいました。うっかりしていたら、病院で阿片の不法栽培で挙げられるところで、薬局だけで、未然に防いだと、言うことで、それにて一件落着しました。現在でも、全国で、同じことがよく、あるらしい。一度、生薬の芥子の花の特徴を確かめておいて、ひなげしが咲いていたら、観察してください。それにしても、あのときの、事務長室の窓際で咲いていた芥子の花は、美しく、いまでも、忘れられません。また、わざわざ4個の鉢に移し替えて飾られた光景や、薬局に怒って来られた、今思えば、純情な人々の表情と、後のしょんぼりされた姿が、面白くも、なんだか、さびしいような気持ちになったのが、今でも、いつまでも、懐かしく思い出されます。

2003/04/09

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Vol.17 店頭で見る症状 「乳酸菌の威力に驚く」  客井宣之氏(客井薬局) 

20年程前の事ですが、知人の80歳になる、御母さんが脳出血で倒れられ、救急車で私の勤務先の病院に入院された時の話ですが、容態は悪くて、手術せず状態を見守る治療でしたが、亡くなられる半年間の間、危篤状態になっても、抗生物質とグロブリンを投与すると回復して、何回かその繰り返しでした。毎日夕方には見舞いに行って、知人家族の苦労のねぎらいと患者の容態を見ていました。ところが、3ヶ月ぐらいに、黴が発生して、患者の口の中は真っ白になり、導尿管にも、白い黴が見られて、すごい状態になりました。セフェム系の抗生物質とグロブリンを使用していると、日和見感染を起こすと知っていましたが、まさに黴が発生したのです。治療を見ますと、ポリミキシンBの溶液を流し込んだりしているのですが、一向に改善されません。看護詰所に聞いてみましても慣れているのか、無頓着な感じです。そこで、乳酸菌製剤を口に入れたら良いのではと思い、提案しました。医師も看護婦も効くかと首かしげていましたが、下痢もしているようですから、試してくださいと言われました。翌日ビオラクチスを6カプセル水に溶かしてスポイトで、口の中へ吹き付けるように入れてもらいました。ところが3日も経ずに、綺麗な舌が見えてきました。口の中には黴が全く消えていました。導尿管も綺麗な尿が、白い黴を追い出していました。その後、黴が生えることは有りませんでした。院内の、他の同じ状態の人にも適用して改善されました。関係者一同乳酸菌製剤の威力に脱帽しました。
参考ながら、店頭の活性乳酸菌製剤は壜の中では、仮死状態になっています。水分にて活動開始します。内服しますと腸内にて繁殖して数が増えます。野菜を食べますと、繊維の効果で繁殖が盛んになります。壜のふたがしっかり閉めて無ければ、湿気により、仮死状態から動き出しはじめますが、それ以上のエネルギー不足にて、不活性になります。 開封後はとにかく湿気を防ぎましょう。また、抗生物質の使用により、腸内の味方の菌も、死滅することを考慮して、風邪などで、特に幼児などは、せフェム系のドライシロップがよく使われますが、活性の乳酸菌製剤の服用は大切な意義があります。

2003/04/04

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Vol.16 店頭で見る症状 「尿路感染症」  客井宣之氏(客井薬局)

膀胱炎で尿が出にくくなったり、沁みたりして、店頭に相談に来られて、適当な薬を求められる人が案外多いです。今回が初めてかどうか聞いて見ますと、大抵はこれまで何回か発症するが、市販薬で治まると言われます。猪苓湯、ウロナミン、ナリジクス酸、は有効で2〜3日で症状は消える事が多いのですが、文献によれば、実際には、診察の膀胱鏡で見れば、膀胱内の粘膜は赤く炎症していて、少なくとも2週間の治療で、やっと炎症が消えるらしい。軽い症状と思っていても、慢性化しやすい病気で、腎臓も侵されて慢性腎盂腎炎にも発展する可能性があります。そうなれば、発熱も伴い、根治も大変です。ニューキノロン系の薬剤など、強力な薬剤も揃っていることなので、これも、少しでも早く、専門医の治療で、根治するのが望ましい。店頭では、軽視しないことを、注意しています。幸い、内服の抗菌剤は尿中に集中的に排泄されるので、有効性は高い。 参考ながら鞭毛を持った、例えば緑膿菌の場合、24時間で、1mの導尿管の中を尿の流れに逆らって、下から上に、登ってしまう能力を持っているので、膀胱炎の場合、殺菌しないと、腎臓にまで達して、腎盂腎炎を生じます。軽症でも、軽視しないことです。

2003/04/02

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